内向き、外向き、という言葉がある。ドラマ「半沢直樹」の中でも「内向き」というセリフがあったので、それなりに一般化した言葉なのだと思う。
端的に言えば、内向きとは自分や自分たちのことだけに目を向けること、外向きとは相手や社会に目を向けること、である。
この内向き・外向き、シンプルに見えるが体現するのは難しい。
調べると、国家レベルから個人レベルまで、色々な次元で遣われる言葉のようだが、今回は一個人の日常の目線で考えてみる。
たとえば、自分の部下や上司、家族やパートナー、友だち、誰でもよいが、相手に対して直した方がいいと思うことがあったとき。
それを相手に進言するAさんと、進言しないBさん。どちらが内向きでどちらが外向きだろうか。
私の結論は、解なしである。
AさんとBさんの行動の裏側を想像してみよう。
■Aさん こんなことを伝えたら相手は傷つくだろう。だから私は言わない。
外向きの面 相手が傷つくことを避けるための配慮。
内向きの面 自分が人を傷つけた人間になること(すなわち嫌われること)を避けるための遠慮。
■Bさん 言いづらくても相手のために伝えるべきことは伝えるべきだ。だから私は言う。
外向きの面 相手の成長や更なる失敗を避けることを願っての配慮。
内向きの面 伝えないと自分の気が済まない、気にくわないので言う。
果たして、どちらが内向きでどちらが外向きなのか、よく分からない。
今この瞬間ですら分からないので、ここに時間軸という変数を加えるとさらに分からなくなる。
自分は内向きだと思ったとしても、時間が経過した末に相手がそれに感謝することもある。すると、それは外向きだったとも言える。
結局、内向きか外向きかを決めるのは自分である。
あの行動は外向きを貫けた、あの発言は内向きだった……。
この、自分の頭の中で行われる天使(外向き)と悪魔(内向き)の戦いを、日々何度も繰り返す。
できることなら、伝えた相手がどう受け取ったのかについても、ちゃんと確認できると良い。
その戦いを通じて、外向きの思いが届いているのか、どうやったら届くのか、自分なりの外向き力を高めていく。
大丈夫、いつ・どの瞬間も外向きでいる人なんていない。天使と悪魔の戦いを日々何度も繰り返し、天使が勝つ回数を増やしていこう。
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